朝起きたら毛足が生えていた…社会も衣服も布に侵食される異常事態
※この話はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。
人間が、モノが、街そのものが“ふわふわ”に変質
はじまりはカナダ・トロントのとある地下鉄駅。
乗客の一人が、通勤中に突然「手足がモフモフになった」と訴え、その場で全身がぬいぐるみ素材に置換された。
以降、同様の報告が各国で相次ぎ、今や世界40ヵ国以上で“毛足のある現象”が記録されている。
被害者(?)たちは共通して「心が平和になる」「自分がやわらかい」と語る一方、
社会的には「握手がやたら時間かかる」「自動改札に毛が挟まる」などの実害も確認されている。
ぬいぐるみ化は人間だけじゃない
観測によれば、影響を受けているのは人間だけでなく:
- ATM → 表面がフリース素材に
- 信号機 → 点灯のたびに「キューン」と鳴く
- 建物 → 表面が起毛し、やや沈む構造に変化
国連は緊急調査団を派遣したが、その団員全員が帰国後に縫い目ができていたことから、事実上の調査不能状態となっている。
原因は「毛圧(けあつ)」の上昇か?
物理学者の一部は、これを「モフ次元からの干渉」と仮説づけ、
「高密度の感情波が空間の構造を変化させ、布化が起こっている」と主張。
一方、街頭インタビューでは「たぶん疲れてたから、世界が甘やかしてきたのでは?」という説も急浮上中。
SNSでは #ぬいぐるみ化歓迎 #モフのまま仕事 などのタグがバズり、
企業は早くも「パペット対応オフィスウェア」などの開発に乗り出している。
編集部コメント
時代は堅さを求めていなかったのかもしれない。
やわらかく、ほどけて、縫われていく世界。すでに我々は糸の中にいる。
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