「まぐろの目が語りかけてくる」異常にやさしい回転が話題
※この話はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。
カウンターの奥にいたのは、布製の手だった
東京都板橋区徳丸。
商店街の一角にある老舗「いろは寿司」で、常連客が異変に気づいたのは先週月曜の昼だった。
「え、いま握ったの、手縫いじゃなかった…?」
カウンターの中に立っていたのは、布でできたすし職人。
ふわふわの白衣、刺繍された眉、そして「シャリがちょっとだけ人肌」な絶妙な握り。
その正体は、“いろは式寿司パペット職人・二代目 ぬい太郎”。
初代大将が「そろそろ店の魂をやわらかく継がせたい」として開発・導入したらしい。
客との会話はすべて“モーション寿司”
ぬい太郎は言葉を発さず、握り寿司を使って会話するスタイルを徹底。
・エビ→「今日はエネルギッシュですね」
・玉子→「もっと休んでください」
・イカ→「正直、あなた嘘つきです」
など、ネタによって“心理的フィードバック”が返ってくるという。
常連客の中には「ぬいぐるみから諭されると、なぜか泣けてくる」と語る者も多い。
巻物ゾーンに入ると記憶がふわっとなる仕様
特に人気なのは「心をほどく三色巻き」。
食べたあと、記憶が5分ほどふわっと飛ぶという不思議な後味で、
「前世を思い出しかけてた」と語る客や、「食後に猫に話しかけられた気がする」という報告も多数。
この現象は「ぬいぐるみ空間下における鮮魚共鳴反応」として、現在早稲田大学の研究対象になっている。
編集部コメント
寿司とは、本来“にぎり”であり、“ほどけ”でもある。
それを一番よく知っているのは、たぶん布だったのかもしれない。
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