モードの祭典が“布の自由”に包まれた午後
※この話はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。
シャンゼリゼ通りがざわついた「足音のない侵入者」
パリ・ファッションウィーク最終日。
一流ブランドのランウェイを歩くトップモデルたちの列に、突如現れたのは――
もこもこの青い毛並み、焦点の合っていない瞳、そして赤いブリーフ一丁という衝撃的スタイルのパペットだった。
実況カメラは一瞬フリーズし、観客の悲鳴と笑い声が交錯。
彼(仮)の名は「モフシモン・ド・パンティロ」。
本人(布)曰く、「これは布の解放宣言だ」とのこと。
ブランド名もない、デザインもない、でも記憶に残る
パペットはランウェイの端から端までを全力疾走、途中でターンもせず壁に激突。
その姿に、最前列のファッション編集者は「何かが壊れたけど…それが良い」と涙ぐんだ。
Twitterでは「#パンティロ降臨」「#ランウェイで一番体温があった存在」がトレンド入り。
他ブランドからは「来季コレクションに採用を検討」とのうわさも。
なお、警備員は誰一人として彼を止められなかった。理由は「ぬいぐるみ素材なので、抱きしめたくなるから」。
世界のモードは、もはや布の手に
翌日、パリ市内のポスターに「PUPPET MODE 2026」という文字が貼られ、
老舗ブランドの広告塔に“あの赤いブリーフ”が起用されるという未確認情報も浮上している。
パペット本人は今も消息不明。
ただし、フランス国営放送の天気図の上に、謎の“モフ影”が映り込む映像が出回っている。
編集部コメント
裸より強いのは、パンツ一丁という選択。
布を着るか、布そのものであるか。それがすべてだ。
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