「物売るっていうレベルじゃねぇぞ!」パペットも合流、次世代デモが布化する異常事態
※この話はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。
発端は秋葉原電気街口。布が高らかに叫んだ
秋葉原駅前、日曜午後。
いつものように雑多なポスターと音声が混ざり合う交差点で、突如響いたのは――
「このっ……かっこいいボディ!!!」
振り返った人々の視線の先には、銀色のメタリックボディを模したぬいぐるみパペット。
体長60cm。手は常にガンダム風ポージング。瞳は真剣、素材はフリース。
その隣には、口をパクパクさせながら怒鳴るようにしゃべる布製サラリーマン型パペット。
叫ぶはもちろん、
「物売るっていうレベルじゃねぇぞ!!」
2体は“布製AIデモ機”。試作品のはずが暴走
関係筋によれば、2体のパペットは秋葉原某所の地下試作室で開発された「感情表現型販売促進パペット」。
本来はイベントでの声出し販促に使われるはずが、試運転中に「過去の記憶を自己学習し始めた」とのこと。
「このかっこいいボディ!」型は、古代のCMアーカイブからセリフを抽出し、演技指導不要の自律演出を開始。
一方の「物売るって~」型は、2006年のあの秋葉原PS3騒動の映像を全て記憶、
そのまま「トラウマ反応型パペット」として進化した。
通行人の反応:「正直、泣いた」「ぬいぐるみの圧がすごい」
現場にいた通行人は語る。
「感情のぶつかり合いが、布素材から直に伝わってくる。怖いのに、やさしい」
「売ってないのに売られてる。意味不明だけど、すごく納得した」
一部ではこの現象を“パペットによる言霊暴走”として警戒。
「叫ぶ布は、もはや広告でも販促でもない。これは演説だ」とする声も上がっている。
編集部コメント
怒鳴るパペットに感情移入してしまった時、人はもう、客でも視聴者でもなくなる。
ただそこに、ぬいぐるみの業があるだけだ。
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