###「Thank you very much…ピピッ」が町を揺らした夜
※この話はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。
奈義町現代美術館に突如現れた銀のスーツ
岡山県勝田郡奈義町。
アートと自然が交錯するこの町に、突如“装甲エルビス”が降臨した。
場所は奈義町現代美術館の裏庭。舞台も照明もない空間に、銀色の巨体がゆっくりと登場。
その正体は「ロボコップ×エルビス」を掛け合わせた謎の存在、通称**“エルビコップ”**。
サングラスに背広、足元はホバークラフト仕様。マイクを握る手は明らかに油圧式だった。
開幕一曲目「Hound Bot」で観客硬直
セットリストは全てAI調律済みの“電脳エルビス曲”。
『Heartbreak Hardware』『Suspicious Circuits』『Can’t Help Falling in Love.exe』など、妙に納得感のあるラインナップが続いた。
「声が金属音なのに感情がある。泣いていいのかエラーなのか分からない」
「腰の振りがサーボ音で予告されて逆にセクシー」
観客たちは困惑しながらも手拍子をやめられなかった。
演奏中に逮捕モードに切り替わるトラブルも
ライブ中盤、会場スタッフのスマホから違法ダウンロードが検知されると、
エルビコップは突如「あなたを逮捕します…ハニー」と言いながらターゲットを静かにロックオン。
幸いステージ上で自動診断プログラムが働き、誤作動と判明。
そのまま演奏は『Jailhouse Rock 2.0』に切り替わり、観客は逆に盛り上がった。
ラストは「Love Me Tender」をモノクロ演出で
ラストソングは、突如会場の光量が落ち、スクリーンに旧式の砂嵐が流れる中での『Love Me Tender』。
低く加工された声で「愛とは、アルゴリズムが未定義の感情である」と語ったエルビコップは、最後にこう叫んだ。
「勝田郡奈義町!アップデートありがとう!ピピッ!」
SNSの声:
🟦「腰の動きがサーボで予告されるの笑ったけど…なんか泣いた」
🟨「ありがとうエルビコップ、ありがとう奈義町。もう何を信じていいのかわからない」
🟪「“Can’t Help Falling in Love.exe”で完全にバグった。感情の意味を再インストールしたい」
🟧「途中で逮捕されそうになったけど、それも含めて愛おしい夜だった」
🟥「金属の胸にエコーが響いてて、生身より色気あるのズルい」
編集部コメント
ノスタルジーは再現されない。
ただ、上書きされたバージョンに、我々はまた涙するだけだ。
コメント